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【ネタバレ注意】トラキチが勝手にアレンジした、眉村卓先生作「ねじれた町」についての補足にゃ

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前回の記事――「【ネタバレ注意】眉村卓先生の傑作ジュブナイル「ねじれた町」のストーリーを変えてみるにゃ」についての補足にゃ。

 

なお、これから本物の「ねじれた町」を読んでみたいという人、以下を読むといわゆるネタバレになるので、くれぐれもご注意にゃ!

 

▼前回の記事はこちらにゃ

michikusakun.hatenablog.com

 

時間がループしているという設定

 

前回記事のとおり、トラキチの改作版は、時間のループを物語のカギにしてあるにゃ。

 

物語の舞台であるQ市は、近世初頭に起きた反乱事件以降の暗い歴史をもっているんにゃけど、その始まりは当の事件にあったのではなく、実は現代にあったという設定にゃ。この設定は眉村卓先生の「本作」には存在しないものにゃ。

 

ただし「ループ」なので、本当はその始まりは明確には特定できないにゃ。とはいえ、不幸な歴史の繰り返しを主人公がその行動によって完全に消滅させたいという場合、そのためのもっとも適当な時間と場所は「実は現在にあった」と、そんなかたちにゃ。

 

このアイデアは、すぐに気づいた人もいると思うけど、ある漫画をモチーフにしているにゃ。永井豪先生の「手天童子」にゃ。トラキチの改作版に出てくる主人公とヒロインが放り込まれる時間のはざまのような空間についても、この「手天童子」に同じような場所が描かれているにゃ。

 

つまりトラキチの改作版は、眉村先生の本作を土台に、永井豪先生の手天童子における謎解きとカラクリが組み合わされたかたちになっているわけにゃ。

 

Q藩の歴史・国替えに関してのこと

 

歴史好きの人ならばよくご存知にゃ。黒田官兵衛で知られる黒田家の中津入り、山内一豊の土佐入りと、実際の悲劇がいくつも起きているよにゃ。天草四郎で有名な天草・島原の乱も、遠因としては似たような要素をもってるにゃ。

 

そこで、「本作」ではあまり深く設定されずにいるこの部分、Q市が「ねじれた町」になってしまった理由に、トラキチは若干の深みを加えたくなったんよ。

 

Q藩での領主交代は、トラキチは江戸初期の徳川秀忠か家光の頃のことと想定しているにゃ。このあたりがまず妥当だよにゃ。

 

スムースに領国経営を始められず、反乱まで起こされてしまった(現代からタイムスリップした克巳達の仕業による)ことで、「上の町」の先祖は幕府に不手際を責められ、むしろ自分達の方が取り潰し必至かというくらいの危機に直面したはずにゃ。責任者数人が腹を切ったり、大変な犠牲を払いながら、彼らは幕府に赦しを乞うたにちがいないにゃ。

 

つまり、Q藩とQ市における住人同士の激しい反目は、そのようなメンタルからも生じているといった設定にゃ。

 

ちなみに、下の町の人々と上の町の人々による鬼の日の夜の攻防は、さきほどふれた天草・島原の乱での一揆方の島原城攻めが、若干のイメージになってるにゃ。

 

鬼のイメージは「スタンド」を思い浮かべてほしいにゃ

 

眉村先生の「本作」では、鬼の日の「鬼」は、主人公たちが出現させるものではないにゃ。主人公たちは鬼退治をする側にゃ。

 

にゃけど、トラキチはその設定がなんだかひどくもったいないように感じたんよ。なので「改作」では、鬼は全面的に主人公たちの武器であることにしたにゃ。(ただし本作でも主人公が偶然鬼の類を生み出すシーンはあるにゃ)

 

そんで、千恵子の持つ、人に時間の旅をさせる能力も、鬼の発現の一種であるとしてみたにゃ。

 

これ、「ジョジョの奇妙な冒険」のスタンドに似ているにゃろ?

 

ねじれた町を読んで、その改作を考え、そのず~っとあとにトラキチは「ジョジョ」を読んで、「あ、ねじれた町の『鬼』が描かれているにゃ…」と、感じたにゃ。

 

以上、トラキチが勝手にアレンジした、眉村卓先生作「ねじれた町」についての補足にゃ。

 

わが青春時代に楽しみをくださった眉村卓先生および永井豪先生へ、深い敬意と御礼を捧げるにゃ。